消費者向けにビジネスをやっていると切り離せないのが広告等への表示規制とおまけなどの景品規制になります。
景品表示法については消費者庁(移管前は公正取引委員会)が公表している基準が多数ありますが
なお、入手しやすさを考慮しているため、マニアックな書籍や大変参考になったものでも表示・景品規制を主要な目的としていない書籍は対象外としています。
【基礎編】
基礎編からは2冊をご紹介させていただきます。
①「製造も広報担当者も知っておきたい 景品表示法対応ハンドブック」
競争法の専門家である筆者が、抜け道を探すのではなくちゃんと守ろうとする担当者向けに解説したのが本書になります。
二重価格など実務で問題となる部分について詳細に解説されているほか、担当者がわかるように場合分けがされており、初学者から景品表示法から離れていた人が復習に読むという用法まで広く利用することができます。
個人的には表示部分よりも景品部分のほうが詳しいので、景品規制を理論的に理解する上では何度か読みなおすことで得られるものがあります。
②「エッセンス景品表示法」
消費者庁において景品表示法改正にかかわった筆者が入門書として執筆したのが本書になります。
本書の特徴として景品表示法の基礎を理解することに力点を置いています。そのため、応用編の前にまず景品表示法全体を理解しておきたいという方には最適です。
また、景品表示法〔第5版〕比較的古い事例が中心ですが、本書では新しい処分例を取り上げて解説していることから、最近の処分事例について理解を深めることも可能になります。
【応用編】
応用編では4冊の有名な書籍をご紹介させていただきます。
③「景品表示法」
景品表示法といえば、この本といっていいぐらいメジャーな書籍になります。
消費者庁の担当部門が消費者庁の考え方について解説をしているのが本書になりますが、改正ごとに改定され第5版になっています。
消費者庁の公表しているガイドラインなどの考え方について解説されているため、基本的には本書の立場で考えることで行政処分を避けることは可能です。
ただ、如何せん論理が明快ではない部分や、古い事例に関する記載が多く新しい課題については本書を踏まえて他の書籍で補充する必要があります。
消費者庁の考え方を理解するためには必須の書籍になります。
④「景品表示法の法律相談」
景品表示法に関してQ&A形式で回答しており、実務においても大変参考になります。
景品表示法〔第5版〕においては消費者庁の立場から記載されていますが、本書ではそれに準じながらも論理的に整合性がつかない部分については指摘するなど鋭い解説がなされています。競争法に有力な方が本書の作成に参加されており、これまで不明だった部分について納得のある論理が示されている部分があります。
景品表示に関する対応をする中では外せない1冊だと思います。
⑤「打消し表示の実態と景品表示法の考え方」
消費者庁の行った「打消し表示に関する調査報告書」について消費者庁の担当部門が開設した書籍になります。
打消し表示については、調査報告により効果測定がなされているため、今後は処分事例が増加する思われますので、参考にする価値はあります。
ただ、報告書については、消費者庁のWEBサイトで公表されているためマストといえるかどうかはちょっと悩むところです。
⑥「詳解 景品表示法の課徴金制度」
景品表示法に課徴金制度が導入されましたが、導入時の法改正にかかわった任期付き公務員をされていた弁護士が執筆したのが本書になります。
既に課徴金命令が複数なされており、また日産に関する課徴金命令が行政不服審査手続きで取り消されるなど適用事例が積み上げられておりますが、立法にかかわった人の施行を知っておくことは有益だと思います。
【その他番外編】
⑦「広告法」
日本ナンバーワンの広告代理店の法務部門が、表示そのものではなく、「広告」全般について取り扱った特徴ある本書。
表示に関する視点のみならず、広告を行うにあたって注意すべき著作権などの知的財産権など包括的に知ることができます。
広告をメインに取り扱う書籍は少ないため、広告について検討すべき項目を知りたくなった場合には本書を読んでみるといいと思います。