RKの備忘録

ITベンチャーで特命業務を担当しています。日々の生活や趣味・読書(主に法律関係)などについて適当に発信していきます。

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【書庫】「ロボット・AIと法」(商事法務)

ゴールデンウィークに突入しましたが、今年は昨年と異なり前半戦は三連休になりました。時間が取れたこともあり、読んだ本を紹介しておきます。

 

【書評】

本書の位置づけとして第1章のまとめにおいて「ロボット・AIを介した法律入門」という掲げ方をしています。

様々な論点があるAIと法律に関して国内外の動向や基礎的な考え方を理解させることが中心となっており、入門書という位置づけになるものと思われます。

総論に加えて、人権(自己決定権・個人の尊厳)、行政規制、契約、自動運転、ロボットによる手術、刑事司法の6つを大きく取り上げています。

昨年冬に出版された「AIビジネスの法律実務」とテーマ的にかぶるところも多いのですが本書の方が広くまた踏み込んだ記述があるので同書で物足りないと感じた点についてカバーできるものと思われます。

 

個人的に参考になったと部分として

  • ビックデータなどを通じてAIが学習することにより、憲法上の価値である自己決定権や個人の尊重に大きな影響がある。具体的には、ビッグデータなどのプロファイリングされた領域の人という範囲で選択させられることになり①選ばされた自己決定や②細分化された属性に基づき判断されることになり「個人」の尊厳が冒される可能性があること。
  • 欧州のGDPRやE-privacyの規制の本質は人類が人権の重要な部分としてきた「自己決定権」や「個人の尊重」へのAI(ビッグデータ)の影響を緩和することを目的としている。
  • AIが契約を締結できるのかという命題については、既に自動販売機やECサイトをはじめとした機械が自動的に契約を執行する存在があることから、これらと同様に意思表示の認定を柔軟に行うことで対応する。
  • 既にアメリカでは、統一電子取引法において「電子エージェント」としてAI(機械)が自動執行した場合の効力について取り決めが置かれている。

というところが参考になりました。

偶然ではありますが日本国内だと、憲法上の価値との間で議論がなされることがないのですが、EUやアメリカにおいてprivacyに関して議論している本質を理解できた気がします。

 

AI関連の法務としては同じ時期に「AIの法律と論点」が出版されており、合わせて購入したのでこちらについてもゴールデンウィーク中に拝読の上でと思っています。

ロボット・AIと法

ロボット・AIと法