RKの備忘録

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【書庫】「ブロックチェーンをめぐる実務・政策と法」(中央経済社)

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ブロックチェーンビットコイン関連で騒がれていますが、いまいちよく分かっていないと言うのが本音のところです。

そのため、ブロックチェーンに関する書籍(ビットコインではないことがポイント)を一冊読むことにしました。

 

 【書庫】

ブロックチェーンの活用が進んでいる仮想通貨に関する国内外の動向(特にIMFなど国際機関の動き)を取り上げるとともに、

  1. ブロックチェーン(仮想通貨)がフィンテックとして既存の金融にどのような革新をもたらす可能性があるのか
  2. ブロックチェーン(仮想通貨)に関する規制(制度)

を解説していますが、本書第1章にも中級編とあるとおり、ある程度ブロックチェーンフィンテック)の議論を知っている人に向けて、法律に限らない各分野の専門家の見解のまとめ本になります。

ブロックチェーンを勉強したことにより

  • ブロックチェーンが公開暗号鍵とP2Pという「枯れた技術」に基づきコンセンサスアルゴリズムで構成されている。ブロックが作成されるタイミングでエラーがあればコンセンサスに基づき正しいものが確定されるが51%を支配する人がいれば誤った内容により支配することが可能。
  • ブロックチェーンの技術は可逆性がなく、取引の巻き戻しができない。そのため、取引(契約)とブロックチェーンを利用した取引の執行には手形などのように無因性が確保されることが必要となる。
  • 仮想通貨が法定通貨に代わるためには資産としての保存性が必要であり現状の投機として利用されている状況では難しいが、中央銀行が発行するなどのクローズ型をとることで不可能ではない。
  • フィンテックの進展により、バックオフィス業務のクラウド化、資金の効率化、キャッシュレス決済率を向上させるという目標がある
  • 資金決済法により仮想通貨が定義されたものの、私法上の関係においてはこれから議論が深まる領域である。ただ、国際的な動向により私法上の権利関係も影響を受ける可能性があるのでIMFや海外の取り決めについても注意しておく必要がある。

というあたりが今回の学びになります。

多数の筆者が参加した書籍ということで、筆者ごとに濃淡があることや用語が統一されていないという読みにくさが読書を妨げる部分も多いです。

ただ、ブロックチェーンに関する現状の制度や取り組みをまとめた書籍は少ないので読んでみる価値はある本だと思います。

ブロックチェーンをめぐる実務・政策と法

ブロックチェーンをめぐる実務・政策と法