ツイッターなどのSNS上に不適切な動画を投稿するというのは2015年ころからありましたが、2019年に入ってからもくら寿司、セブンイレブンなどと収まることがありません。
そんなタイムリーな時期に「SNS公式アカウント運営者のため」と銘打って企業がSNSに向き合うための書籍が出版されました。
【書庫】
本書は、SNS公式アカウント運営者を対象にしているため、広報やマーケティング部門などで日々SNSに投稿(外部委託先が投稿する場合を含む)を対象とした書籍です。
構成として
と3部構成になっていますが、SNSの運営者が認識しておくべき事項は主に1・2になります(3も知っておくべきですが)
特に、SNSだと問題になるのが第三者の著作物の利用ですが、「引用」に該当するので利用できるのではないかと相談されることが多いのですが、その部分についても
「引用」にあたるかどうかの判断をするうえで、まず重要なことは「著作物を掲載する時点では明確な答えがわからない」ということです
と引用と被引用が主従関係であることや明瞭に引用部分を区分するなどの著作権法に関する基本的な説明をしたうえで、法務担当者の本音を掲載しています。
また、担当者がわからないから法務部門に確認しているのではないかという疑問を持たれることも多いですが
実際に著作物を利用する時点では「引用」にあたるかどうかの判断することが困難なことも多く、弁護士であっても、確実な回答を提供できないこともめずらしくはありません
としれって弁護士でも判断に困るんだよという説明をしており、広報・マーケティング担当者にはこの部分をちゃんと理解してほしいと思いました。
また、最近多いのがTwitterなどでリツイートした方のうち〇名にプレゼントという懸賞です。
本書にも記載されている通り、Twitterのみで完結する場合には基本は「インターネット上で行われる懸賞企画の取扱いについて」の適用があるので景品規制の適用を受けないと考えられています。
ただ、最近ではTwitter×オフラインで来場した場合になどと「来場」を要件としている場合がありますが、この場合には景品規制を受けることになります。
SNSアカウント運営者の教育という意味では、150ページ程度と薄いこともあり、これぐらいの内容を理解していてもいいんじゃないかなぁと思いました。
SNS公式アカウント運営者のための企業の信頼失墜を防ぐ 法的リスク・炎上対策
- 作者: 小山博章,西頭英明,町田悠生子,木田翔一郎,寺下雄介
- 出版社/メーカー: 第一法規
- 発売日: 2019/02/08
- メディア: 単行本
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