毎月定期購読しているビジネス法務2018年6月号が届きました。
今月の特集は
- 法務部員・社内弁護士 1年目の教科書
- 談合コンプライアンスの現在地
の二本立てになります。
1.「法務部員・社内弁護士 一年目の教科書」について
4月の発売号ということもあり、新入社員(新任配属者向け)に法務部における心構えや考え方を説いています。
心構えではあるものの契約書チェックやコンプライアンスの基本においては、非常に本質的な内容になっています。
いかに法解釈をビジネス判断につなげるのか、いかにコンプライアンスを個人の事として捉えてもらうのかと言った視点は法務として一定の経験を積んだのちでも日々考えていかなければならないと思います。
表題はライフネット生命の岩瀬大輔さんの「入社1年目の教科書」に似ているのですがこれは狙ってのことだと勝手に考えています。
2.「談合コンプライアンスの現在地」について
談合に関する独禁法の適用の歴史(1980年代までは摘発事例が少なかった)及び摘発されたときの個人のダメージの少なさ(懲戒解雇されない・収監されない)などから日本国内で従業員個人が談合に対する意識が改まらないという視点は斬新ですが納得感がありました。
また、入札データをもとに談合の可能性を分析する研究がなされているようですが、再入札事例で元の一位入札者が90パーセント程度落札しており、気が付かないだけで実質的な談合って多いのかもと思いました。
3.その他
著作権法改正について条文案が掲載されており、初めて内容を確認しました。
現行法と比べると活用できそうな幅のある規定ぶりになっていることから、期待もありますが他方で判断がない部分でもありリスクテイクをせざる得ないので法務部門の腕の見せ所かもしれません。
会社法の改正に関する中間とりまとめに関する解説が増えていますがパブリックコメントが終わっているので、結果を踏まえて早ければ来年の通常国会に提出されるぐらいのスピードなんですかね…