今年は暖かくなるのも早く東京では桜が満開になっています。
来月開催される桜祭りのときには既に葉桜なんじゃないかと心配してしまうぐらいの状態ですが、花見の帰りにお茶しながら定期購読しているビジネス法務を読みました(真面目)。
今月号の特集は
- 実践的コンプライアンスの要所をおさえる不正の心理
- 政策・ルール形成への働きかけ「ロビー法務」の可能性
というもので、法律解説や方法論等がメインの雑誌としては珍しい心理学や法政策形成というテーマでした。
■特集「実践的コンプライアンスの要所をおさえる不正の心理」について
コンプライアンスの重要性が叫ばれ、社内研修を実施しているもののなかなか浸透していかないなぁと思う法務・コンプライアンスの担当者が多いはず。
今回の特集では人間心理の側面から分析されており
- 倫理教育を行うことにより組織防衛意識を低下させ「自社の論理」による不正隠しを妨げる効果がある。
- 属人的組織風土が高いと組織的な不正が起こる可能性を高める(個人の動機に基づく不正については命令系統の整備が効果的であるが組織的な不正にはあまりえ影響なし)。
- 無責任・無知・無思考という日本企業のおける特徴から不正が温存されることになるので、これを解消する取り組みが必要。
- コンプライアンス研修では会社ではなく、不正が起きると「あなたの生活が困る」という従業員目線の問題を伝えて本人ごととする
といったあたりは参考になりました。
心理学などに関して複数の参考書籍も掲載されていたので、時間があれば(なかなか手持ちの本が読み終わらない...)手を出してみたいと思います。
■特集「政策・ルール形成への働きかけ「ロビー法務」の可能性」について
たまたまではあるものの数年前にある業法の規制緩和に関する取り組みに関わり、最近でも行政からの事業者ヒアリングに対応しています。
その経験から行政への働きかけの必要性を感じていたのですが、他の仕事に忙殺されておりなかなか優先順位の上がらない...
なかなか小さなITベンチャーでは手が回らないところではありますが、規模が大きい企業や有力なプレーヤーの存在する業界であれば、当該企業が自社に都合の良いルールを働きかけることもあり実は重要な課題でもあります。
いずれはこちらについても取り組んでいきたいなぁと心に誓いました。
■その他
働き方改革関連では副業兼業に関するガイドラインが取り上げられています。
厚生労働省の検討会も傍聴させていただきましたが、結果的に労働基準法に関する行政解釈が温存されたこと(事業主を超えた労働時間の通算など)や安全配慮義務に関する論点が未整備であることから、なかなか利用しにくい内容になっています。