労働契約法の改正によって期限の定めのある雇用契約の方の無期転換制度が定められています。
法律の施行から、実際の無期転換までに時間があったかので関心も薄れていましたが2018年4月1日以降通算で5年を超える有期雇用の方が生じることになりました(いわゆる2018年問題)。
いろんなところで少しずつは内容を聞いていましたが、今後のために書式もほしいので「有期契約社員の無期転換制度 実務対応のすべて」を購入しました。
【書評】
本書は①無期転換制度に関する説明②実務対応③書式の構成になっています。
そのうち①無期転換制度に関する説明②実務対応、においては、
- 無期転換制度の大前提として「同一の使用者」であることが必要なので①派遣労働者を直接雇用に切り替えた場合②事業譲渡によって途中で使用者が変わった場合(分割・合併の場合には承継されます)には、もとの雇用主との期間は通算しない
- パート、アルバイトで働いている方を、子育てなどが終わってそのままフルタイムの有期雇用契約に切り替えた場合にはパート、アルバイトの期間も通算対象となる。
- 無期転換権は形成権であること
- 無期転換が生じた場合には就業規則の整備していく又は既に存在する契約社員向けの就業規則を修正しておくこと必要であること
- 無期転換権が生じたのちに、就業規則を制定又は改廃した場合には就業規則の変更として合理性が求められる可能性があること
あたりは再確認できるとともに、今後の参考になりました。
ただ、実務対応の記載の中で、重複する記載が多い(戻らなくても良いので親切ともいえますが)や同一労働同一賃金に関する説明が厚いなど無期転換に関する解説としては100ページ程度かもしれません。
書式については、対象となる就業規則の改訂部分に加えて無期転換の申込書等もあるので必要なものが一式そろいます。