RKの備忘録

ITベンチャーで特命業務を担当しています。日々の生活や趣味・読書(主に法律関係)などについて適当に発信していきます。

【書庫】ビジネスロージャーナル2018年5月号(レクシスネクシス)

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 毎月定期購読しているビジネスロージャーナル2018年5月号が届きましたので早速拝読させていただきました。

 

ビジネスロージャーナル2018年5月号の特集は「法務におけるAI活用の可能性」という業務の効率化において夢が広がりそうなテーマと「広告・表示のリスク管理」の二本立てでした。

 

■特集「法務におけるAI活用の可能性」について

法務においても業務効率化が求められる中でAIやそれを用いた業務ツールの導入は欠かすことができません。

今回の特集では、各社の法務部門においてどのようなニーズがあるのかという部分とこの数年で現実的にAI(又はそれを利用したツール)でどこまでそれが実現できるのかという点を取り上げています。

各社のニーズとしては、

①文献・判例などの調査業務

②定型化された契約書(NDAや取引基本契約に紐づく個別契約など)のレビュー

③契約書や許認可に関する管理業務

というところが共通してあるようです。

 

ただ、日本においては現実は厳しく文献・判例などの調査業務や契約管理には向いているものの契約書のレビューなどにはまだ時間がかかる模様です。

その理由としては、技術的課題よりも、国内におけるAIの開発に向けた資金とデータが足りないという実務上の課題...

電子契約すら普及していない状況なので先が長いことは理解していますが、定型業務から解放される日はいずれ来るのでしょうか。

 

■特集「広告・表示のリスク管理」について

昨年から消費者庁が公表する景品表示法に基づく措置命令の事例が増加しています。

また、課徴金の事例も増加傾向なのでtoCのサービスを提供する事業者としては避けては通れない状況になってきました。

今回の特集では、処分事例と打消し表示報告書をベースにして解説がなされていますが

・打消し表示報告書の内容からは、そもそも打消し表示を必要とする広告自体が結構厳しい評価を受ける可能性があること

・体験談を取り上げる場合には、体験談のサンプルとしての妥当性やどれぐらいの人の意見なのかわかるようにする

など表示に対する厳しいご指摘が...

 

虚偽の表示がダメなことは当然のことで二重表示などは排除すべきですが、法令を遵守しない企業のために規制が厳しきなるのではちゃんとしている企業が浮かばれないと思ってしまいます...

 

■その他

法務部門の品質向上では座談会での発言を取り上げていますが

・底上げや標準化よりも合格点を出せる人を増やすこと

ヒアリングのチェックリストを作成するよりも、核心を話してくれる関係づくりが重要

というところについては経験上も共感しました。

Business Law Journal(ビジネスロージャーナル) 2018年 05 月号 [雑誌]

Business Law Journal(ビジネスロージャーナル) 2018年 05 月号 [雑誌]