2018年も6月が終わり残り半分になりました。
公私ともにドタバタとしており、買った本を読む時間が足りていないのですが、ライトな内容の雑誌だけでもということで、何とかビジネスロージャーナル2018年8月号を読み終えました
●特集「ハラスメント対策の最新実務」について
以前と比べるとセクハラ・パワハラ・マタハラといったハラスメントについて労働者側でも理解(誤解の部分もありますが)が進んだことから、一定数内部通報窓口などに相談が寄せられます。
財務省の事務次官がセクハラ問題を起こして辞任に追い込まれたタイミングでもあることからまさにタイムリーな特集になります。
感想としては次のとおりです。
- ハラスメントに関する相談が寄せられた場合には、調査・事実確認という流れになりますが、客観的な証拠が存在しないことも多く供述によらざる得ない場合もあります。特集では相談が寄せられてからの流れが簡潔にまとめられているので担当者としては目を通しておくとよいと思います。
- セクハラについては恋愛のもつれの場合があったり、パワハラについては単なる指導の場合もあり得る。パワハラについては一般的な指導にもかかわらず相談があることがあり、管理職においては基準を理解した上で過剰にならないような配慮が必要。
- 法務担当者の座談会が取り上げられていますが、セクハラについての申告は他社もそこまで多くないようです。ちなみに複雑な労務案件を対応できる人事担当者があまりいないようです。
- 人材の流動化の激しいIT企業においては形として研修を実施するものの効果にはあまり期待していないという座談会での発言を拝見してどこも同じだなぁと思いました。
●実務解説「ハマキュウレックス事件・長澤運輸事件」について
働き方改革関連法案が成立して日本版「同一労働同一賃金」(菅野先生が厳密には同一労働同一賃金ではないので「日本版」とするのが良いと講演会で発言されておりました。)に根拠が与えられることになります。
非正規雇用者と正社員の間の格差については、既に地裁・高裁レベルでは判決が出ていましたが、ハマキュウレックス事件・長澤運輸事件の2つの事件について最高裁が判断を行いました。
- 有能な人材の獲得定着を図るということのみを根拠として労働条件に相違を設けることは不合理と判断される可能性が高い。
- 労働条件は項目(手当)毎に比較するが、特定の項目についての相違が不合理であっても他の項目との関係で代替補完することも可能である。
正直、正社員と契約社員で業務内容等に差がない会社も多いので、今後人事制度や雇用は大きく見直されていくことになるかもしれません。
Business Law Journal(ビジネスロージャーナル)2018年 07 月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: レクシスネクシス・ジャパン
- 発売日: 2018/05/21
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