2020年4月に民法が改正されますが、当初は民法改正の概要についての書籍が多かったですが、今年の春からは民法改正に基づく契約書などの実務系書籍も増えてきています。
民法改正はあちこちで掻い摘んで聞いてきただけの状態なので少し体系的に勉強する必要もあるのです。ただ、実務にどう反映するのかまでは考える時間がないので手っ取り早く改正部分が分かる書籍を複数購入しています。
日常的に取引基本契約を取扱っているわけではないのですが、民法改正が取引基本契約にどのような影響を与えるのかとうことを理解したかったので「民法改正対応 取引基本契約書作成・見直しハンドブック」を拝読しました。
(書評)
本書は、取引基本契約のモデル契約書をベースに民法改正によりどのような対応を行うべきなのかを取り上げています。
具体的には
- 取引基本契約において取り上げられる項目(解除・債権譲渡・相殺など)について、民法改正の影響がどのようにあるのかを取り上げています。こちらについては他にも詳しい書籍があるので簡単に論述されていますが、あくまでも取引基本契約という縛りがあるため、取引基本契約においてどのような影響があるのかという項目が特徴的です。
- モデル契約書を基に契約書作成上のポイントと留意点を取上げていますが、民法改正以外にも下請法などについても触れています。
というところが本書の特徴になります。
取引基本契約は、損害賠償・解除・債権譲渡・売買(瑕疵担保・危険負担)・時効と今回の債権法の改正によって変更された部分が多いところになります。
ただ、民法のうち任意規定に関する部分も多く、拝見した感想として意外と変更による影響は少ないなぁという印象を持ちました。そのため、普段の契約書をどのように修正するかは依然と悩みが深い状態です…
改正の本は難しいものも多いなかでコンパクトにまとまっているので簡単に理解したい人にとっては良い本かもしれません。
最近思うのは民法改正に関する書籍の多くが既に民法を知っている人をベースにかかれています。現行の民法を知らない人は、新旧混合しているしばらくの間についてはどのように勉強するのか興味がわいてきました。