梅雨が明けたはずなのですが、日本列島に梅雨前線が滞在して各地で被害をもたらしています。
雨が降らないと水不足になりますが、降り過ぎても問題になるので適度さを覚えてほしいところです。
以前に持株会社の実務(第8版)を拝見しましたが、最近グループ会社が増えてきたことから、グループ会社の管理を考える上で「グループ会社リスク管理の法務(第3版)」を拝見しました。
(書評)
グループ会社の管理において求められる内部統制システム・企業結合規制を中心として、関連する法令や判例を取り上げています。
拝見した上での感想として
- 企業結合法制においては、子会社における少数株主・債権者の保護、親会社株主の権利の縮減といった興味深いテーマを取り上げているものの、会社法制定(平成27年改正を含む)におけた親子会社に関する規制の議論を中心に取上げるのみである。テーマとして面白いだけに現行法の制度や解釈として、子会社における少数株主・債権者の保護、親会社株主の権利の縮減についてどのように考えていくべきなのか示せればさらに良かった。
- グループ会社を含む内部統制システムにおいて、親会社子会社間でレポートラインを決めることも重要ではあるものの、①日ごろから複数のルートで意思疎通を図っておく必要があること②チェックリストなどは最小限度にしないと形式的なチェックに終わることといった参考になる注意点が述べられている
となります。
既に会社法や金融商品取引法について一定の知識がある人からすれば、知識の深さとして物足りない印象を受けました。
ただ、新任担当者としてグループ会社の管理について勉強するにあたっては、第2編グループ会社のリスク管理に関する具体例及び第3編形態別の具体策については参考になると思います。
現実的にはグループ会社について管理することに限界があるため、どの部分にリスクがあるのかを特定してということにならざる得ないと思います。その限りにおいては、切っ掛けとして本書を手に取ってみても良いかもしれません。