新型コロナに伴う在宅勤務などでドタバタしている間に8月になりました。
在宅勤務で通勤時間が無くなり、ブログを更新する時間が増えるかと思いながらも、自宅にいるからこそブログを書かないということになっていました。
引き続きゆっくりと更新していきたいと思います。
2020年1月に民法改正に合わせて定型約款の本を購入しましたが、読み切れておらず7月になってやっと読破することが出来ました。
【書評】
2020年4月の民法改正において定型約款が規定されることになり、盛り上がりましたがこれまで、この分野では先行書籍では「定型約款の実務Q&A」や「一問一答 民法(債権関係)改正 (一問一答シリーズ)」がありましたが、あくまでも立法担当者の見解をまとめただけであり、目新しい話はあまりありませんでした。
本書の特徴としては
- 民法改正以前からの約款に関する考え方を明記しており、民法改正に関する部分よりも約款そのものに焦点を当てたものになっていること
- 民法のみならず消費者契約法についても紙面を割いており、消費者契約法上一部無効になる具体的な条項例を記載していること
- 約款を作成していくための基本的な視点と運用にあたっての取り組み
という内容になります。
具体的には、個人向けのサービスだと消費者契約法の対象になるということは分かっていても、損害賠償責任(不法行為・債務不履行責任)のいずれについても
①全部を免除する規定は無効になる
※ 故意または重過失の場合にのみ責任を負うという軽過失を免責することはできない
②事業者の攻めに帰すべき場合に一部を免除する規定についても制限がある。
※ 損害賠償の上限額については故意または重過失の場合に適用されない
など規定を作っていく中で誤解して作成されるものについて分かりやすく事例を含めて説明がされています。
説明力が足りないので申し訳ないのですが、記述自体も平易であり読みやすいため、定型約款にかかわる人の教科書的な本になりうるのではないかと思いました。
注意点としては民法や消費者法などについて基本的な理解がある人が読むことを想定しており、全くの初心者が本書のみで理解できるものではありません。