外資系企業との取引の中でときどき見かける仲裁に関する規定を見かけるのですが、いつも定型的な契約(変更不可能)が多いため気にすることすらありませんでした。
ただ、最近はセミナーなどの案内でも商事仲裁に関するものが増えてきたので、何も知らないのは微妙かと思い一冊書籍を購入してみました。
【書評】
「国際商事仲裁の基礎知識」についてQ&A形式で、
- 仲裁に関する規定
- 仲裁の申立て
- 仲裁に関する審理・手続き
- 仲裁判断の執行
について取り上げている本書は、訴訟と比較して商事仲裁にどのような特色があるのかを取り上げています。
そのため、訴訟手続き(日本法は当然のことながら米国における訴訟を含む)を理解している者からすると分かりやすい章立て、記載になっています。
仲裁機関が多数あるためICC・SICA・JCAAを中心に取り上げていますが、それらについてもニューヨーク条約など国際的なルールと各団体の規則の同一性や差などを取り上げるなどの工夫があるほか、各種規則のURLが掲載されており原典を探すことも容易です。
海外に関する書籍については頻繁に改定することが望めないため、原典があるURLなどが明記されているのは一つのアドバンテージだと思います。
国際的な取引を担当することになった時点で、まずは土地勘を持つために購入して読んでみても良い本なのではないかと思いました。