RKの備忘録

ITベンチャーで特命業務を担当しています。日々の生活や趣味・読書(主に法律関係)などについて適当に発信していきます。

スポンサードリンク

【書庫】「データ戦略と法律 攻めのビジネスQ&A」(日経BP社)

各企業でデータを活用しようと考えたときに、実は最後に出てきて壁になるのが法規制に関する問題です。

情報(データ)に関する分野については、そもそも国内では議論が始まったばかりであることに加えて、法務担当者が詳しくなかったりと「なんとなく」問題として処理されている印象があります。

そのなかで、「データ戦略と法律」と銘打って包括的にデータ戦略を取り上げた本書を購入の上で拝読しました。

 

【書評】

法務部門の方ではなくデータ戦略やシステム部門の方を対象としていることから、細かい法律の解釈ではなく、データ戦略全般とデータの利活用についてQ&A形式で概括的に取り上げています。

Q&A形式の書籍では、Qの出来次第で内容が左右されますが、

 Q2-6 ウェブサイトを訪れるユーザーの利用末端にクッキーを保存することの問題

 Q2‐7 DMPの提供・利用する場合の留意点

 Q2‐9 本人確認の留意点

 Q2‐14 APIを活用する場合の留意点

といったマーケティングWebサービスで既に取り入れられているものの、類書ではまだ見かけない項目について取り上げているため参考になります。

 

ただ、データ戦略やシステム部門の方を対象としているものの

  • 法務の重要性をといたり、法務部門へ問い合わせを進めたり、個人情報保護法の問題が生じる場合がありますなど、具体的な解決策は示されない場合が多く消化不良なところもある
  • クエッションは面白いものの回答が一般的なものになっており、ビジネスサイドで利用するにあたりどうすればいいのか、次のステップが立てにくい
  • 共著のため分量や内容に差がある

という印象を受ける部分があり、テーマが面白いだけにもったいない印象を受けました。

ただ、データ戦略と包括的にしているものの、個人情報保護法だけでも膨大な分量になるわけですし、読者の業種業態を絞らないため1冊の本にまとめられる部分を簡略化しているわけですので仕方がない部分もあります。

 

データの利活用に関して概説として読んだり、ここをスタートにしてさらに調べるという使い方であれば、網羅性は高いため法務部門に配属された方(又はデータ関連の領域を初めて取り扱う方)が読んでもいいのではないかと思います。

この領域は移り変わりが早いため、情報の鮮度という意味では一定の改訂が必要になるはずですので、次回の改訂で今回のテーマがもう少し深く掘り下げられることにも期待したいと思います。

データ戦略と法律 攻めのビジネスQ&A

データ戦略と法律 攻めのビジネスQ&A