最近太陽光発電事業について調べる機会がありました。
東日本大震災直後の再生可能エネルギーの固定買取制度が始まった当時、太陽光電力事業に関わったことがありましたが、あまり詳しいわけではないので当時からのupdateと最新情報を得るために「エネルギー法実務要説」を拝読いたしました。
【書評】
エネルギー関連は金額が大きいものの一部の事業者が取り組んでいることから、既に実施している事業者にノウハウがあり、なかなか外部には出てきません。
その中では
- 発電(ガスを含む)のもととなる資源に関する権益の確保や売買(国内への輸送)
- 国内における電気・ガスの小売り事業
- 電気・ガス事業者に関するM&Aに関する注意点
という非常にニッチな領域を取り上げた本書は、この分野を知るにあたっては手掛かりになる書籍になります。
日常的にエネルギー事業を取扱っていない読み手として感じたこととすると
- 石油採掘や天然ガスの開発には多額の費用が掛かることから、契約でもリスク分担が行われており、採掘作業を行う対価として権益の一部を付与(譲渡)するなど将来開発できた場合の権益を分配することで開発は行われていること(ベンチャー企業のストックオプションと同じイメージ)
- 国内における小売事業を行うにあたっては規制があり、特に媒介や代理店として、自社ブランド名で電気を供給する形をとりたい(発電所を保有しない場合を含む)には、電気供給事業に該当しないように注意が必要であること
という部分は参考になりました。
なかなかエネルギー関連事業に関わることはないですが、大型プロジェクトのリスク管理というのは参考になりますので、そのエッセンスをどこかで利用できればいいなぁと強く思いました。