最近事業承継分野に関するサービス提供の事業立上げの検討にあたり、そもそも事業承継に関連する法制度って知らないなぁということで勉強のために購入しました。
事業承継の支援については中小企業庁が出している事業承継ガイドラインがありますす。
そのため、こちらは、事業承継ガイドラインは中小企業の事業承継を考える人向けなので法律・税務側で支援する方へ向けた基本書になります。
具体的には
- 事業承継ガイドラインの項目立て、項目順をベースに記載されており、事業承継ガイドラインを読みながらその理解を深めることが可能
- 各種ひな形(株主総会議事録・各種契約など)が豊富に掲載されており、事業承継(一般の企業法務でも利用できる)
- 事業承継において重要視される税制について、各制度を解説するほか、適用されるための各要件や手続き(書式も)を掲載し解説がなされている。
- 事業承継ガイドラインで設定された5段階(準備の必要性の認識・見えるか・磨き上げ・計画の策定・事業承継の実行)の各段階ごとに必要となる支援を明確にしている。
- 種類株式の活用など単なる承継にとどまらず、いかに承継後に安定的な企業運営を行っていくのかという視点で解説されている
といったところに特徴があります。
ただ、
- 事業承継ガイドラインに記載がある部分も多い(支援制度や取り組みなど)
- 支援制度については紹介にとどまり実際に利用した場合の手続きなどについてあまり触れられていない
という点もありますので事業承継ガイドラインを読めば事足りる人も多いとは思います。
事業承継ガイドラインのみを読んでも具体的に何をしたらいいんだろうというところについて一定の道筋をつけるという意味では有用な書籍だと思います。
ただ、それ以降は弁護士や税理士に相談をということが重要なのでしょう(弁護士が事業承継にそこまで詳しいのかというのは疑問がありますが…)
事業承継については様々な機関に公的な支援制度(マッチング・金融支援など)があるようですが、なかなか機能していないようです。
中小企業では、オーナーの色が強く出るためなかなか承継させるのが難しいということは認識していますが、現実には多くの人が中小企業で働いているので、もっとマッチングと承継が円滑にできるような取り組みを考えられると良いなぁと思いました。