RKの備忘録

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【書庫】持株会社の実務(第8版)(東洋経済新報社)

最近、成長中の中小企業のガバナンスの設計に関して純粋持株会社(ホールディングスカンパニー)に関する相談をいただくようになりました。

 

会社法上の手続きとして株式交換・株式移転はサポートしたことがありますが、純粋持株会社に移行するメリット・デメリットを質問されるものの抽象的な回答しかできませんでした。

そこで、一冊メジャーなこちらの本を読んでみることにしました。

持株会社の実務(第8版)

持株会社の実務(第8版)

 

(書評)

持株会社について、戦略・法務・税務の各分野を中心に広く取り扱っていますが第8版ということもあり既に定評のある書籍になります。

 持株会社の経営戦略や組織戦略として

  •  持株会社の目標は自立した活気ある子会社を育てることではあるものの、子会社が成長するにつれて持株会社の統制を嫌がる可能性がある(MBOなどの可能性も)
  •  子会社の自主性を強調するとグループ全体として求心力が低下する。グループのアイデンティティを定めるなど一体感を高めるための対策が必須。
  •  社内の事業部門を分割してこれまでと同じように管理するだけでは、自立した子会社にはならない

 というあたりが持株会社へ移行するか否かの判断基準になりそうな気がしました。

 

 法務・税務については

  •  持株会社を組成する際の手続きと税務(適格型合併と非適格型の説明)
  •  グループ全体でのガバナンスの構築
  •  グループ税制や連結納税制度

 などが論じられています。

 税務については個別の取引類型について取り上げて解説されていますが、法務に関しては各種手続きを取上げているだけで実務上のアドバイスは少ないように感じました。

 本書の性格的に網羅的に持株会社に関して取り上げることに力点がおかれており、詳細は個別の専門家(書籍)へということになっています。

 個人的には、法務・税務の視点で筆者の意見としてメリットとデメリットを聞いてみたかったかもしれません。

 

 網羅性が高い本ですので持株会社へ移行したい又は検討したいという場合に、まず最初にやるべきことを確認するという使い方が良いかもしれません。

 個人的には、「経営戦略」や「組織戦略」についての考え方の方が参考になりました。

持株会社の実務(第8版)

持株会社の実務(第8版)