RKの備忘録

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【書庫】個人情報保護法に関するおすすめの書籍をまとめました(2020年5月7日更新)。

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2020年の通常国会にて個人情報保護法の改正が行われる見込みです。
OECDの定める原則に基づき、現行法からGDPRなどの海外の法令に近づける改正になる見通しです(処理方法の明示や削除要件の緩和などは予定されています)。
改正直後は様々な書籍が出版されるはずですが、ただでさえも玉石混合であった個人情報関連の書籍について改めて戦国時代が訪れると思います。
また、改正法の成立から施行まで一定の経過期間が見込まれるためその間に現行方法の理解を深めてみることも、改正法の理解につながるのではないでしょうか。
(2020年5月7日追記)
 
 
【おすすめ書籍のまとめ】
個人情報保護法に関しては個人情報保護委員会からガイドライン(通則編・確認記録義務編・外国への提供・匿名加工情報編)とQ&Aがあります。
これだけあれば大丈夫そうと思えるのですが、実際にはガイドライン以外にもパブリックコメントでの回答や国会の審議の内容をベースにした回答があったりとよく分からないことが沢山あります。
 

そういう状態や個人情報保護法に関する問合せが多いということもあり、複数の書籍を参照せざる得ない状況です。

その中で、実務本や怪しい一般向けの本が多いので正直なところ内容は玉石混交という状態だと感じています。
無駄なお金を使ったりもしあっため、後学のためにお勧めな本を掲載しておきます。
 
①『個人情報保護法の仕組み』(商事法務)
任期付職員として個人情報保護法改正に関わった弁護士が旧法からのアップデートを中心に記載した本になります。
旧法での知識のある人であれば短時間で改正法の全体を理解することが出来るので便利です。
個人情報保護法のしくみ

個人情報保護法のしくみ

 

 

②『個人情報管理ハンドブック(第3版)』(TMI総合法律事務所編・商事法務)

個人情報保護法関連の書籍は規定順のものが多い中で、こちらは個人情報の取得→管理→利活用(第三者提供を含む)というサイクルに合わせて解説されているのが特徴です。
また、個人情報保護法に限らずプライバシーマークやISO・マイナンバーにも広く触れており、個人情報管理について把握するためには必見の書籍だと思われます。
ただ、注意点としては施行規則やガイドラインが確定する前のためその辺りについては他の書籍で補う必要があります。

(2018年5月4日追記)

第4版に改訂されてガイドラインの内容が反映されました。そのため、第三者提供時の確認記録義務などについてアップデートがなされています。読みやすさは変わらずなので引き続き定番の書籍になります。

個人情報管理ハンドブック〔第4版〕

個人情報管理ハンドブック〔第4版〕

  • 作者: TMI総合法律事務所,淵邊善彦,柴野相雄,白石和泰
  • 出版社/メーカー: 商事法務
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

 

③ 『個人情報保護法と企業実務』(清文社)

マイナンバー法関連の書籍でお世話になった牛島総合法律事務所の影島先生が執筆された書籍が改正法の施行直後に発売されました。
こちらは個人情報保護法ガイドラインのみならず必要に応じてパブリックコメントにも言及しており、ガイドラインを読んでも分からない部分を埋めてくれる書籍です。
図表などを使って分かりやすくしているため、個人情報保護法を実務で取り扱うに当たってはまずこの本からというのも良いかもしれません。
実務系の個人情報保護法の本のスタンダードテキストになっていくような気がします。
ガイドラインの確認記録義務編における提供に該当しない場合であっても、通則編では提供にあたるということを明記していたのはこの本だけかもしれません(確認記録義務編で提供に当たらないから第三者提供ではない的な解説を見かけたこともあります...)。
 
また、アメリカやEUの個人情報保護についても触れています。色々とアメリカやEUの個人情報保護についても読んだことがありますが、概要を理解するには1番良いかもしれません。
2018年5月のEUのデータ保護規則についても触れておりますが、知識がない方はまずはここからとも思います。 
改正個人情報保護法と企業実務 (2017年5月全面施行の改正法に対応)

改正個人情報保護法と企業実務 (2017年5月全面施行の改正法に対応)

 

 

④『個人情報保護法(第3版)』(岡村久道・商事法務)

個人情報保護法や情報法の大家岡村久道先生のも欠かすことは出来ません。
ずっしりと厚みのある体裁に、小さい文字でびっしりと書かれており『個人情報保護法と企業実務』とはことなり内容にも重みを感じます(笑)
内容についてはおそらく国内で流通している個人情報保護法の書籍の中ではもっとも詳細な解説をしている本だと思います。
ただ、旧版から通説的見解や政府見解を批判的に検討しているところもあります。ただ、しれっと独自説というような書きぶりではにないので困らないのと、何より論理的な解説がなされたりするので勉強になります。
会社法の江頭先生の株式会社法と同じく調べる本のため通読するのもそこそこ大変です(一定以上の知識があれば通読して学べることも多いですが...)。 
個人情報保護法〔第3版〕

個人情報保護法〔第3版〕

 

 

 

⑤「企業における個人情報・プライバシー情報の利活用と管理」(青林書院)  

 個人情報・プライバシー情報の利活用に関してまとめた書籍が出たので追加することにしました。
 各分野のガイドラインや検討会の報告書に言及していることから、場面別に利活用について調べるのであれば活用が可能です。ただ、利活用に重きを置いているので、個別の議論は①~④や紹介されている検討会の報告書を読む必要があります。 

 

⑥「個人情報保護法の解説 第二次改訂版」(個人情報保護法制研究会)

  個人情報保護法で調べるにあたっては既に紹介した岡村先生の「個人情報保護法」もありますが、本書は平成29年改正の立法者担当者による逐条解説になります。

 公表する目的について「最終的なもの」を掲載すればいいことや利用方法について掲載する必要まではないことなど、条文や他の書籍では明確になっていない部分を調べることが出来ます。

 ただ、検索ができないという調べる本においては致命的な問題があるので、条文を読んでも当たりのつかない人の場合には他の書籍で条文のあたりをつけてから本書にあたる必要があります。

個人情報保護法の解説 第二次改訂版

個人情報保護法の解説 第二次改訂版

 

 

 

番外編『一問一答 平成27年改正個人情報保護法

 既に紹介した良書があるので今更感がありますが、個人情報保護法改正時の立法担当者の考えを学ぶには良い本だと思っています。

法改正時には必ずといっていいほど出版される一問一答は昔から意外と好きなのですが、使い道が限られるというのが難点ですね。

論文試験があるのであれば良いと思いますが、いかんせん個人情報保護法に関する論文試験を見たことがありません...

 

一問一答 平成27年改正個人情報保護法 (一問一答シリーズ)

一問一答 平成27年改正個人情報保護法 (一問一答シリーズ)