IoT(Internet of Things)に関するまとまった本を探していたところ評判がよさそうだったので購入してみました。
『IoT・AIの法律と戦略』と銘打っていますが大きくは
- IoT・AIの仕組みと法律の概要
- IoT・AIの法律各論
に分かれていますが、いずれも一冊の本が書けるだけの内容だけにコンパクトにまとまっている印象を受けました。
本書の特徴として
- 現行法をベースにどのように解釈できるのかを明示する(政策論には踏み込まない)
- 現行法の要件(条文・判例上)を必ず明示し、事実(概念)・要件解釈・あてはめという思考過程を行う
という形がとられています。
そのため、既に法律を学んだ者からすれば読みやすく理解がしやすい本になっています。また、図表も多いので初めて法律を学ぶ人でも十分理解することができるはずです。
IoT・AIの法律各論では、①パーソナルデータ②ビックデータ③AI④自動運転⑤ドローンなどのIoTの議論で必ず出てくる内容を取り上げています。
そのうち、パーソナルデータ・ビックデータの記述が半分ぐらいを占めています。
パーソナルデータ・ビックデータに関する書籍はほかにもあります。
ただ、IoTに限定して必要な部分という意味では個人情報保護法に関する書籍よりも事例をもとに精緻な論述を行っており、この部分だけでも読む価値が高いなぁと思いました。
その他電気通信事業法に関する説明やドローンに関する説明などコンパクトにまとまっているので、ガイドラインを読む前にまずはここからスタートしても良いのかもしれません。
今後、この領域の入門書的な立ち位置になっていく書籍なのかもしれないですね。