既に1か月遅れとなっていますがビジネス法務2017年11月号を読み終えました。
ビジネス法務2017年11月号の特集は
- 海外子会社の法務マネジメント
- ベンチャー投資・買収の実務ポイント
でした。
1.海外子会社の法務マネジメント
海外子会社であっても会社法の定める内部統制構築義務の対象範囲外にできないよという話から始まり取締役の責任やリスク管理の方法が記載されています。
個人的に参考になった話としては
・管理体制選択のポイント
これまで海外進出から海外子会社の管理は段階をおって、海外事業部方式・事業部管理方式・地域統括会社方式と進んできたようでその順にメリットとデメリットを開設しています。
「海外」という側面だけ見ると特殊ですが、日本国内で子会社が多く設立されて管理するにあたり、①子会社管理を集中的に行う②各事業部に管理もゆだねる③セグメントごとの管理機能をもった組織体制を構築する、みたいな方法がとられているのでそれと実質的には同じようです。
・日本電産の「海外キャラバン」
コンプライアンス推進の一環としてローカルスタッフの声に耳を傾けるとしてセミナー・ディスカッションを現地に出向いて実施しているようです。
日本国内でも最近は効率化からオンラインでの研修に切り替えている事例も多く、なかなか各事業部で個別に時間を確保してというところに理解が得られにくいという事情もあります。
ただ、対面でのセミナーやディスカッションでの良さは、「意識付け」や「問題発見」ですので効率化では測りきれないものがあります。
真のコンプライアンスを目指すのであれば両者をうまく使い分けていかないとダメなんだろうなぁと思いました。
2.ベンチャー投資・買収の実務ポイント
ベンチャー投資・買収についての特集ではありますが、ベンチャー界隈で仕事をしている立場からすると全体的に一般的な内容に終始しているので物足りなさを感じました。
もう少しどこかにポイントを絞って掘り下げた方が特集として面白かったのではないかと感じましたが、読者層を考えるとまずは「ベンチャー投資」の特異性を知るというレベル感で良かったのかもしれません。
ただ、「基礎から押さえるベンチャー投資・買収の用語集」は、ベンチャー投資で良く出てくるWordを網羅しているので保存しておく価値がありそうです。
3.その他
今月から始まった新連載「広告マーケティング法」は最近出版された「広告法」と同様に「広告・マーケティング」分野を横断的に解説するようなので楽しみです。
なお、「広告法」も購入したのですがなかなか読む時間を取れそうにないのですが年内には読み切りたいです。