明後日まで年末年始の休暇期間中ですが、昨年後半にウェブメディアの著作権などの問題が話題になったため改めてコンテンツの利用ルールを確認するため「情報・コンテンツの公正利用の実務」を読ませていただきました。
情報・コンテンツの公正利用の実務―IT/ネット時代の企業活動におけるコンテンツの活用
- 作者: 齋藤浩貴,上村哲史
- 出版社/メーカー: 青林書院
- 発売日: 2016/10
- メディア: 単行本
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前半は著作権法に関する引用などの権利制限規定の解説、後半はそれを踏まえた具体的な事例の解説となります。
この種の本はどんな設題を設定するのかというところで評価が決まってしまいます。
このあたりは森濱田松本法律事務所編ということもあり、同事務所を利用できる規模の企業からの相談内容に基づくことになります。
そのためベンチャーだと何も疑問に思われない社内検討用のパワーポイントや資料への引用などについて具体例が設定されるなど興味深く拝見しました。
解説についても丁寧に書かれているのですが、企業内で法務を担当している立場からすれば、グレーな事案になればなるほど、どういう対応すれば良いのかというのを明示してほしいなぁと思ってしまいます。
著作権法を守らせることの重要性は分かっています。
ただなんでもかんでも同意を取得して下さいという結論は同意取得ができないことが想定できる場合に事業部側に責任を押し付けることにもなってしまうので悩ましいところです...
理論の枠組みを明確にしていただいているので、コンテンツの公正利用に関して参考用に置いておくには損にはならないと思ってます。